「人間は火星移住のためにサイボーグとなる」とイギリス王室の学者が主張

人間がサイボーグになる?なんで??と突っ込まずにはいられないタイトルですが、とりあえず詳しく見てみましょう。

以下、英文記事になります。

 

British scientist Dr. Martin Rees, in his book "On the Future," suggests that colonizing Mars could result in "post-human evolution," but he questions its feasibility due to the planet's harsh conditions.

 

イギリスの科学者であるマーティン・リース博士は、自身の著書『On the Future』で、火星の植民地化が「ポスト・ヒューマン進化」をもたらす可能性があると示唆してるが、その過酷な環境のため、その実現性に疑問を抱いている。

 

suggest:示唆する

colonizing Mars:火星を植民地化すること

result in:~の結果をもたらす

feasibility:実現可能性

due to:~のせいで

harsh:厳しい

 

 

He emphasizes the urgency of addressing Earth's environmental issues.

 

彼は地球の環境問題に対処することの緊急性を強調している。

 

emphasize:強調する

urgency:緊急性

address:~に対処する

environmental issue:環境問題

 

 

Any migration to Mars might require biotechnological and cyborg adaptations, potentially creating a new species, although there are concerns about the balance between biology and technology.

 

火星への移住が実現する場合、バイオテクノロジーとサイボーグ技術の適用が必要となるかもしれず、それによって新たな種が生まれる可能性があるが、生物と技術のバランスについては疑問が残る。

 

migration:移住

adaptation:適応

species:種

although:~ではあるけれど、

concern:不安、心配

 

 

Dr. Rees also proposes that robots are better suited for long-distance space travel and speculates that intelligent extraterrestrial life may already be cyborgs.

 

また、リース博士はロボットが長距離宇宙旅行に適していると述べ、知的な地球外生命体がすでにサイボーグ化している可能性も示唆している。

 

propose:提唱する

be suited:適している

speculate:仮説を立てる

extraterritorial life:地球外生命体

 

 

Dr. Rees is not necessarily positive about the colonization of Mars. This is because he believes that moving to Mars will not solve the population problem, and what is needed is urgent action on environmental issues.

 

リース博士は火星移住には必ずしも肯定的ではない。というのも、火星への移住は人口問題の解決にはならず、必要なことは環境問題への早急な取り組みだからだという。

 

colonization:植民地化(ここでは移住と訳しています)

This is because...:それは...が原因だ

what is needed:必要なこと

urgent:早急な

 

 

"We have the idea that we should despair and leave Earth and go somewhere else. This is a dangerous fantasy. Elon Musk and my old colleague Stephen Hawking have also promoted the colonization of Mars, but I don't think there is a second Earth. The world's problems cannot be solved by escaping from Earth. They must be solved here." 

 

「我々は絶望して、地球を離れ、他の場所に行くべきだという意見があります。これは危険な妄想です。イーロン・マスクや、私の古い同僚のスティーブン・ホーキングも火星移住を推進してきましたが、私は第二の地球はないと思います。世界の問題は地球から逃れることで解決することはできません。問題は、この地球で解決されなければならないのです」

 

despair:絶望する

go somewhere:どこかへ行く

colleague:同僚

promote:推進する

solve:解決する

 

 

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地球の大気や重力に慣れ親しんだ私たちからすると、地球以外の惑星に移住した際にはどれほどの負荷がかかってくるか想像ができません。でもそれは宇宙人にとっても同じこと。宇宙人がいち早く自らのサイボーグ化を果たしているかも?という視点は面白いと思いました。

 

また、地球の問題はいまこの地球で解決されなければならない、という主張ももっともですよね。仮に地球を捨てて火星に移住したところで、火星への適応が不十分な人類がそこで末永く満足に暮らしていけるとは到底思えません。すぐに水や食料や資源の争奪戦が起き、『蝿の王』さながらの地獄絵図が展開されることは容易に想像できます。さらに、地球に残された人間たちはどうなっちゃうの?という大問題も残ってしまいます。やはり人は母なる大地を離れては生きてはいけない生き物なのでしょうね。